【今村=演壇での前文】今回のテーマは、「市長のマニフェストの具体的取り組みについて」。選挙での「マニフェスト」は、実施時期や財源措置あるいは実現への道筋まで明らかにされるもので、かつての公約や口約と区別され、美辞麗句や選挙民向けの広報、実現不可能なものでは、その意味を成さない。
亀山市長はまったくの新人で、知名度もそう高くなかった。資金力も組織もないと言う状況で出馬を決意し、「チェンジ」あるいは「刷新」を旗印に、現職候補を大差で打ち破ったことは、理想的選挙での快挙であると認識したい。
市長には、その時々の政局に一喜一憂せず、政策重視という観点から、待ったなしで首長の決断が求められている市政の現実を踏まえ、臨んで頂きたい。
【今村=総合計画との整合性】市長は6月5日の所信表明の思いを、平成28年度までの10年間を目標とした総合計画「食彩・感動 いしのまき」にどう活かすのか、マニフェスト事業への予算措置での財源の手当てなども含め、基本的にどう考えているか。
【市長】現在の総合計画は、平成19年3月に策定。計画期間は平成28年度までの10年間。一方、マニフェストは4年間の任期中に特に重点的に取り組むべき政策宣言で、マニフェストと総合計画の二重構造化を防ぐため、マニフェストを公の計画である総合計画を始めとする各種計画に位置付け、市の政策として一体的に推進する必要があると考えたい。
このことから、予算管理及び行政評価の対象となり、より効率性や実効性が高められるものと考えている。また、総合計画の見直しは、マニフェストと現総合計画との整合性を精査の上、検討していきたい。
【今村】市長はマニフェストで「新庁舎に図書館的機能、市民センター的機能を進めます」としているが、総合計画には「現庁舎跡に図書館や公民館などの複合施設建設」とある。矛盾しないか。
【市長】新庁舎での図書館的機能はそこに雑誌があってくつろげると言うもので、図書館等の複合施設は現庁舎跡地へ予定通り実施したい。
【今村】総合計画では21年度から3か年で56億円が財源不足と試算。18、19年度実施したような職員等の給与カットも必然と思うが、どうか。
【総務部長】給与削減ありきでもいけない。カットで効果のほか、心の傷もあった。総合的に判断したい。
【今村】石巻市の一般会計における借金残高は702億円。事業実施で借金を増やし、次世代の子どもたちに負の遺産を残さないことも大切と思うが。
【市長】もっともな話と理解している。
【今村=庁舎建設】来年1月早々の移転が設計変更によって延びたことは大変残念。しかし、今となれば、せめてゴールデンウイーク明けには移転完了が行われるよう、十分監視していくしかない。改めてスケジュールを明確に。
また、5月25日の市議会臨時会以降、市民の声をどう把握して設計見直しに活かしてきたのか、さらに設計見直し部分も加え5900万円の増額になるようですが、実際の工事費は? また発注の方法をどうするのか、1階商業者との協議や理解への働きかけは行っているのか、市民の利活用を活発化するための方策は?
【市長】計画の見直しの結果、庁舎改修工事の完了時期は来年の3月となり、工事完成後、順次移転したい。しかし、この時期は、住民異動が多く、市民に迷惑をかけないよう5月の連休を目標に住民窓口となる課の移転を考えたい。
現時点で工事費の算出は困難。エスカレーター存置による撤去費や床の設置工事取止めにより減額となる一方、エスカレーターへの人感センサーの設置や工事の分割発注により総体的には増額になる。
なお、工事の分割発注は、影響のない部分を先行発注させ、開庁時期に大幅な遅れが生じないことと、より多くの地元業者への受注機会が確保されることを期待してのこと。
1階商業者との協議の関係では、本年5月末に、1階のテナントを含む商業者と会った。今後も、新庁舎移転のスケジュール等を逐次報告、協議しながら事業を進めたい。
市民の利活用を活性化するための方策では、庁内各部署においてNPOや子育てサークルなどの団体から要望を聞き、協議を行っている。
【今村=総合支所のあり方】「総合支所へ一定の予算配分をし、新しい住民自治システムを確立します」は緊急課題となっている。いつ、どのような検討を加えて実現するのか。住民自治をどう把握し、どの程度の予算配分で事業を任せようとしているのか。
【総務部長】地域の持続性を保つには、地域に住む一人ひとりが「自分たちの地域のことは自分たちで考え、みんなと一緒により良くしていく」という住民自治の原点に立ち返り、市民と行政の協働社会の仕組みづくりが重要。
総合支所は、地域の拠点。地域の力を高める環境整備や地域の安心や利便を図ることが重要な役割。
このため、今後、各総合支所及び関係課において、それぞれの地域の地理的、歴史的、文化的特性を尊重するとともに、各総合支所で地域の身近な課題を住民自らが解決する個性豊かな独自のまちづくり組織の設置を検討し、住民と行政のパートナーシップを築く住民自治システムの構築を進めたい。
【今村=石巻版グリーン・ニューディール政策】政策の理念、現時点における具体的な手段、今後の展望と課題について聞きたい。またメガソーラー発電の施策や環境関連企業の誘致にはどのような手順で具体化しようとしているのか。
【産業部長】現経済情勢の打開策として、社会や産業での再生可能エネルギーの利用を拡大し、新たな成長の糧にするグリーン経済への転換を進め、太陽の時代のさきがけとなる「石巻版グリーン・ニューディール政策」を推進することが必要。
具体的には、新エネルギーを産業の柱に、太陽光発電や風力発電等、地球温暖化対策を進める産業を育成、支援し、公共施設へ太陽光パネルを設置することによりグリーン化を進めます。研究施設並びに研究関連企業を誘致、船舶のハイブリット化、光触媒による環境浄化及びナノカーボンセメント発熱体などの新しい技術を活かした産業の振興にも取り組んでいきたい。
環境関連企業やメガソーラー発電施設の誘致では、先に委嘱させていただきました「企業誘致アドバイザー」や、産学官等の力添えをいただき、これらを総体的に推し進め、雇用の創出や地域経済の活性化に繋げていきたい。
【今村】石巻市の公共施設への太陽光発電はゼロです。市庁舎の屋根に第一号はどうですか。
【市長】今回の設計見直しでは行わないが、後に考えたい。
【今村】一般住宅への太陽光発電の普及には補助が必要。国も県も実施している。石巻市はどうか。
【生活環境部長】県内の6自治体でも補助金を出しており、近々考えたい。
【今村=石巻ブランド】石巻地方には豊富な食材があるが、ブランド化のターゲットは何か、また市長自身のトップセールスをどこでどう展開するのか、手法について聞きたい。
【産業部長】消費者に信頼される「石巻ブランド」を確立し、広く全国に発信するためには、地場産品の認知基準や品質保持、規格化等の整備が必要。
「石巻ブランド」のターゲットは、和牛「茂洋(しげひろ)」のブランド化や、代表的牡蠣のほか、「金華ブランド」と呼ばれるサバやカツオ等の豊富な食材があり、農産物も「石巻産なら安全で安心である」というブランドイメージを確立したい。具体的な品目等は今後、関係団体と協議しながら推進したい。
全国発信の手法では、東京のアンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」でのPRをはじめ、姉妹都市や首都圏での交流イベントにおける販売や、全国のバイヤー関係者が来石する「石巻フード見本市」でのトップセールスによる売り込み等を行い、今年度設立予定の(仮称)石巻市地産地消推進協議会と連携を密にし、「石巻ブランド」の知名度向上に努めながら、官民一体で販路の拡大に取り組んでいきたい。
【今村=ものづくりのまち・石巻】ものづくり石巻の技術力の現状把握と課題について、新技術の研究開発支援の具体性やそれを推進する組織の関係について、お尋ねする。
【産業部長】本市は現在、「石巻地域産学官グループ交流会」の活動を通じて、地域経済界、大学及び関連行政機関と連携、地域産業の活性化を目指し、さまざまな課題に挑戦しながら、地域産業の再生と振興に努めているところ。
交流会は、石巻商工会議所の主導の下に、平成11年に発足、これまで、環境、マリンフード及び自動車関連産業集積といった部会を立ち上げ、「海洋深層水」、「資源循環型社会の確立」、「食材のブランド化」等々の地域に密着したテーマをもとに、精力的に活動している。
今後は商工会議所の会員企業や石巻専修大学及び宮城県等関係機関との連携。「カキ殻を利用した肥料化」、「食の安全・安心に関する調査研究」、そして、自動車関連産業の受注に向けた地元企業の技術力向上のための各種研修の開催、さらには、食品のブランド化を目指した「農商工連携の推進」などをテーマに、新技術の研究開発を行いたい。
【今村=このまち大好き人間を育むまちづくり】興味をそそる施策が多く、今回は空き店舗を利用してのまちなか実験室の設置なども含めた中心市街地活性化への考え方、石巻専修大学のサテライトキャンパスの内容と実現性について聞きたい。
【企画部長】中心市街地の活性化では、旧来の商業を基盤とした賑わいの再生にとらわれず、歴史、文化、自然、風土を生かして「息遣いを感じる人通り、水をテーマとしたアメニュティ、洒落た景観、昔の面影、そして何より癒しを与えてくれる街」など、新たな視点を取り入れたものに取り組んでいきたい。
具体的には、空き店舗等を活用、子どもたちから大人まで楽しみながら学べる「まちなか実験室」や「まちなか科学館」などのソフト事業を展開することで、「このまち大好き人間」を育む環境を整えたい。
またサテライトキャンパスでは、石巻専修大学との連携で、まちなかで市民と学生が気軽に交流できる場を設け、大学の授業や講座を実施、若者が集う仕組みづくりに取り組んでいきたい。
【今村=透明性高い市政運営】具体的に広報広聴事業の見直しであれば、何をどのように。また、情報公開日本一への鍵を握るのは何か。
【総務部長】これからの市政運営においては、「市民との対話ができる」「市民自らが未来の石巻を創造できる」、市民参加型の協働によるまちづくりを進めていくことが基本で、このためには、これまで以上に市の保有する情報の公表と提供を積極的に行い、透明性の高い市政運営を進めていく。
このため、広報紙やホームページ、報道機関への資料提供など、これまで庁内で取り組んできた情報の公表方法を検証するほか、「市民が必要とする情報」や「市民にとって役立つ情報」などについて、わかりやすく、かつ迅速に提供していく体制づくりが必要。
また、市民との直接対話による「市民が求める情報の把握」や石巻の未来のためまちづくりへの提案など、広聴事業の充実も大切。今後、政策検討段階でのパブリックコメントの手法などを始め、具体的な情報提供施策や広聴事業を検討したい。
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