会派の行政視察報告第二弾です
会派(ニュー石巻)の1月下旬に行った行政視察報告第二弾です。徳島市と南あわじ市の報告となります。
【徳島市の市民満足度について】
まず、調査の目的ですが、市民参加のまちづくりは言うに易し。しかし、一部の声が「市民の声」なったりしていることもあります。石巻市でも広報広聴事業に力を入れていますが、その大半は20年以上も前に作られ、改良されて今に至っていることから原点に返り、再構築すべき必要もあると考え、徳島市の市政への市民参加のあり方を学ぶことにしました。
市政において最も気になるところは、実施される施策が市民にどのように捉えられているのかという点です。市民の目線、市民の視点に立って、あるいは市民参加のまちづくりとは言うものの、そう単純ではありません。平成19年、徳島市は総合計画を策定し、それを受けて平成20年に初めて実施されたのが「市民満足度調査」です。
この調査は、単なる市民の意識調査ではなく、第4次総合計画体系に基づく42施策全般にわたって、その重要性や満足度について市民がどう感じているかを数値として捉えるものです。
分析を行い、その結果を市の施策についての評価や、今後の施策の取り組みについて検討するうえでの参考として活用され、また、市民が望む行政サービスを隔年でアンケートを実施することによって、市民に市政への関心と理解を深めてもらう目的もあるとのことでした。
調査対象は、市内在住の18歳以上の男女3,000人を無作為に抽出、調査票は郵送にて配布、郵送にて回収、調査期間は平成20年7月22日~8月5日回収、結果は発送数3,000件、回答数1,076件、不明戻数25件、有効回収率36.2%となっている。
統計学的には40%あれば信用性があるといわれますが、回収率をいかに高めるかが次回への課題となっていました。
【徳島市まちづくり意見提出制度について】
本制度は、市の基本的な施策などに関する計画や条例を策定する場合に、予めその計画などの案をホームページや窓口で公表し、これに対して市民などから意見の提出を受け(パブリックコメント)、提出された意見を考慮して意思決定を行うとともに、当該意見に対する考え方を公表する一連の手続きです。
その目的は、市の政策形成過程における市民参加の促進、公正の確保および透明性の向上を図ることにより、市民とのパートナーシップによるまちづくりの推進に資することにあります。
募集期間は約1ヶ月間程度で、この制度に意見を提出できるのは、市内に住所を有する人だけでなく、市内に通勤・通学している人、市に事業所がある団体、市外に居住する利害関係者なども含めて、市の計画や条例案をより良くしたいという気持ちを持っている人なら誰でも意見を提出できるものです。
市の基本的な計画や条例を制定する際、市民から広く意見或いは感想を求めるパブリックコメントの導入は、今や国・地方自治体にとって一般的な手法となっています。
徳島市は、平成18年10月に初めてこの手法を取り入れましたが、平成20年度までの3年間10案件中『意見無し』が5割あり、今後は、いかに多くの意見を募集していただくか、工夫が必要ということでした。
【広報広聴・市民参加の市政】
石巻市の広報広聴事業の多くは、既に20年以上前に設けられた内容が主です。「市長と話す茶屋」など、新石巻市になって多少の手直しがあるものの、市民の一体感の醸成に成果が見られる内容に至っていないなどことから、抜本的な見直しが必要と考えます。この辺を新市長はどう考えているかー興味があります。
満足度調査等で市民の声を把握しながら、計画立案、執行方法を考えることも、市民の目線に立った行政運営に結びつくと考えます。
【南あわじ市議会議員政治倫理条例について】
まず、調査の目的ですが、石巻市は平成17年4月に合併、新市になって4年。議員は平成18年にやり直し選挙があった関係で、任期は来年5月末まで。この間、議会運営委員会を中心に議会改革とそれなりに取り組んできました。また、この間何度か地方自治法の改正もあり、二元代表制の中での議会、議員の在り方を、それぞれが自問自答してきました。特に、石巻市では議員の品格、言動が元でコンプライアンス条例も生まれ、庁内のあちこちに「絶つ 不当要求行為」のステッカーが貼られています。その後も何度か議員の品位、品格が問われてきました。そんな中、会派として議員として襟を正す上でも、南あわじ市の条例化は貴重な研修となると考えました。
南あわじ市は、平成17年1月11日、淡路島南部の三原郡4町が合併して誕生した市です。合併前の旧2町において、すでに倫理条例を制定しており、合併協議のなかで、合併後新市において検討することとしていたものです。これを受けて、平成17年3月定例会において、議会内に調査特別委員会を設置し、検討に入りました。
その委員会は、政治倫理の基本となる条例を定め、「市民全体の奉仕者として政治倫理の確立向上に努め、誠実かつ公正にその職務を行い、清浄で民主的な市政の発展に寄与する」ための調査研究を行うことを目的とし設置しました。委員会は15人の委員で構成し、6回の委員会開催後、6月定例議会に報告書が提出されました。
そして、「南あわじ市議会議員政治倫理条例」を議員発議し、可決され、平成17年9月1日、当局側と同時に施行しました。
その後、市長選挙のしこり等で市民からの調査請求が増加したこと等により、平成19年3月に条例改正のために、再度特別委員会が設置されました。主な改正点は、「調査請求時の人口精査等」「市から助成を受けている団体の範囲」「市民の調査請求権」「違反していた場合の議員及び議会の処置」「請負契約等の辞退に関わる親族の範囲」
などどなっており、平成21年1月に改正条例として施行されました。
条例等の概要ですが、骨子は「政治倫理基準の制定(不正疑惑行為の禁止)」「市が発注する工事等に関する遵守事項の制定」「政治倫理審査会の設置」で、次の6項目が条文化されています。
①問責制度
・不正疑惑行為の自粛
・地位利用の金品授受の禁止
・市が行う許認可、公共工事の請負等の斡旋禁止
・市職員の職務執行に対する不当介入の禁止
・市職員採用、昇格、移動の斡旋禁止
・市が活動、運営に助成する団体等の役員就任の自粛
・道義的批判のある企業献金の自粛
②市工事等の遵守事項(条例第12条)
これは禁止規定ではなく努力規定であり、市が行う工事等の請負契約、業務委託契約及び一般物品納入契約(請負契約等を締結した企業との間の下請け工事、業務委託及び一般物品納入)について準用するものです。
親族の範囲については、3親等で広すぎるため、2親等および同居の家族としていました。
③資産公開制度審査会の求めに応じて行う。(義務はない)
④市民の調査請求権をみとめている。
⑤政治倫理審査会の設置
長の権限であるため、長の設置する審査会に議員に関する審査をゆだねる。委員は市長が議会と協議の上委嘱する。
⑥問責制度について
イ、議員が違反している旨の指摘がなされたときは、議会として処置を講ずることができる。
ロ、逮捕後の説明会
ハ、起訴後の説明会
ニ、一審有罪判決後の説明会
ホ、有罪判決確定後の処置
説明会開催請求により、市民が直接当該議員の政治責任を追及する機会を保証しています。また、議員は原則市から助成を受けている団体の長にはつけないことも規定していました。
南あわじ市では、細部にわたって倫理規定が網羅されていました。かつて石巻市においても口利き等が問題化して、百条委員会が設置され、あるいは裁判にまで発展した経緯があります。不当要求、口利き等も完全に無くすことは難しいと考え、議員としての強い自制が求められます。二元代表制(市長も議員も共に有権者の選挙によって選ばれている住民代表)のもとでの議員のあり方、品格が問われている現状のなかで、本市としても、さらなる条例の整備をはかり、対処して行くべきと考えます。
【兵庫県南あわじ市少子化対策について】
まず、調査の目的ですが、石巻市も「子育てするなら石巻市」と理想を掲げています。しかし、行政の縦割りで施策全体が見えません。「頑張る地方応援プログラム」も、20年度はわずか2項目で、2,151万3千円だけでした。南あわじ市の場合、幼児から児童生徒まで幅を広げているものの、行政の縦割りを廃し、多項目(20項目、20年度予算で3億3,135万4千円)にわたる事業・施策は目を見張るものがあります。「子育てするなら南あわじ市」のメッセージが伝わってきました。改めて「子育て支援」のあり方を考えるきっかけになると考えました。
平成17年1月に、緑町、西淡町、三原町、南淡町の4町が合併して人口約54,000人の南あわじ市が誕生しました。その中で、まちづくりを考える委員会が市民からの公募で100人委員会が発足し、新市の将来像を考えるとき、今後、毎年人口が約400人ずつ減少することが予測され、人口減少が町の衰退につながる事から、子育て支援や縁結びについて考えようということになりました。
また、市の総合計画基本構想で、10年後、人口5万人を下回らないことを基本としており、そのためには、活力を維持し、永続的な発展を目指し人口減少による少子高齢化に対応した政策を総合的に展開。そして、少子対策関連事業等の部局間調整、連携強化により、出生率の向上を図ることを目的に平成19年1月に市長を本部長とする少子対策推進本部が設置されました。
少子対策としての窓口を一本化にするために、平成19年4月に「子育て支援」「結婚促進」「定住促進」「男女共同参画推進」等の4事業を展開して行く事を目的として健康福祉部の中に少子対策課が新設され5人体制で本格的に始動しました。同4月、少子対策事業を中心に目標数値、人口動態統計における出生数を増加させ、5年後[平成23年]に合併時の410人を目標とし、頑張る地方応援プログラムが策定されました。
◇平成20年度の南あわじ市少子対策の主な事業内容◇
1、結婚促進事業・[南あわじ市縁結び事業推進協議会]19年~
つまり、官民一体で結婚を推進していくための縁結び事業です。具体的には①ハッピーマジックの会・独身による独身のための出会いの会=幸せな出会いは、理屈でなく「ハッ!」とくるものがある不思議な力「マジック」と言う狙いです②ハッピ-応援団・交流の場を提供・縁結びをサポート③おたすけ隊・・・ボランティアでハッピ-マジックの広報や会員促進・イベントの協力
2、子育て支援事業(15項目に亘る活動支援事業)
3、定住促進事業
具体的には①新婚世帯家賃補助事業・若者の市内定住を目的に、家賃5万円以上の市内民間住宅に居住する新婚世帯に月額1万円[最長3年]を上限に助成しております。②通勤・通学者交通費助成事業・市内居住地より高速バスで通勤・通学を奨励するため交通費の助成・通勤者20%島外通勤者30%島内通勤者20%の助成をしています。
4、男女共同参画の推進=「南あわじ市スマイル、スマイル、プラン」に基づき、市民フォーラム等で男女共同意識の向上を図ること等があげられます。出会いから結婚、子づくり、青少年の育成までライフ・ステージは幅広く多くの事業が実施されておりました。
一般に行政部局は単体であり、縦割りで、横の連携が少なく情報不足であるといわれます。また、市民のニーズを十分理解しているとは思えない事由が多々見受けられる中で、南あわじ市は合併後、市民と行政が一体となって、人口減少に歯止めをかけ、新市の永続的発展につなげようと、少子対策事業に熱心に取り組んでいることについて、資料や説明から考えさせられました。
運営組織機構ですが、少子対策本部を設置しており、市長を本部長とし、少子対策課、健康課、福祉課、保険課、教育委員会がリンクされており、横の連携が新たなアイデアと活動の原動力になるのではないかと思いました。
また、子育て支援について市民に広く理解し参加活用して頂くよう、「子育て支援ハンドブック」が発刊されており、表紙には淡路島の形の市章をもとに、青い海のおくるみに包まれた、前髪は太陽と鳴門の渦潮をイメージに、赤ちゃんを祝う南あわじ市子育て応援シンボルキャラクターである「ゆめるんちゃん」、車等に貼れるシール「ゆめるんちゃん」が添付されています。この本を開くことにより市民が安心して子育てができるのではないかと思いました。
縁結び事業においては、少子対策課、民間企業、団体及び市民が、一体になって様々な出会いづくりにアイデアとユニークな名称や支援体制となっており、独身男女が参加したくなるようなムードづくりが十分であると感じました。
南あわじ市の、中田市長は「子は万代の宝なり」と称していました。本市においても少子化は確実に進行しています。厳しい財政下の中で福祉と教育への配慮もありますが、会派の中では市長本部長の少子対策本部を設置し、単体の縦割り行政から横の連携を図り、本腰を入れるべきであるとの意見が出ていました。



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