17日の一般質問の内容です。質問30分、答弁25分でした。時間が足りず、尻切れトンボの観は否めませんでした。
【サンファン出帆400年に向けて】
今村正誼 私は今回、3つの質問テーマを定めましたが、その第一番目が「サンファン出帆400年に向けて」。渡波に復元のサンファン・バウティスタ号があるが、そのサンファン号は慶長18年9月15日というから、洋暦では1613年10月28日、大安吉日の満月の夜、わが石巻市の月浦を船出した。
乗組員は、藩主伊達政宗公の命を受けた支倉六右衛門常長をはじめとする総勢180人。その中には幕府の軍艦奉行・向井将監など要人、商人など日本人のほか、宣教師のルイス・ソテロ、イスパニア領フィリピン諸島艦隊の総督であるセバスチャン・ビスカイノとその配下の者たちなど異国人40人も乗り組んでいた。彼らの向かうところは太平洋のかなたのアメリカ大陸。そして、その向こうのヨーロッパ。常長の懐の奥にはイスパニア国王・フィリップ3世と、さらにローマ法王パウロ5世への親書が、大事にしまわれていた。
親書には「大国イスパニアと国交を持ちたい。ノビスパン(メキシコ)と日本は海路極めて近く、貿易の便宜をお願いしたい。自分(政宗)は事情があって改宗できないが、領民には勧めたい」と、したためられていたと言う。ただ、政宗の本音はどこにあったのかなど、その胸の内はなお謎。7年の歳月を経て帰国した常長だが、諸説いろいろながらキリスタン迫害の波に飲まれ、海外雄飛の功績も報われぬまま、寂しく世間から離れ、帰国2年後に病死。一緒に海を渡り、イスパニア国王との間を取り持った宣教師ソテロは、後に日本に密航するが捕らえられ、火あぶりの刑に。
支倉は時代の波に翻弄された悲劇の人でもあり、作家の遠藤周作氏の代表作のひとつにもなった「侍」でも、主人公・支倉常長の悲劇性は否めない。
しかし、ヨーロッパの大国が地球的規模で勢力の拡大にしのぎを削っていたと言う大航海時代に、二つの海を渡り、ヨーロッパとの外交に及んだ支倉らの行為は、日本国内でしか日本史を取らえて来れなかった歴史観を打ち破る壮大さを持つものーと言っても過言ではない。言い換えれば、世界史の波長の中で日本史を捉えられる稀な人物こそが支倉常長であり、稀な事件こそがサンファンに乗船しての慶長遣欧使節であったと、私は信じている。そういう点では、わが郷土・月浦から世界史に通じる出来事が、発せられたと言う事実に誇りを覚える。
さて、本題だが、4年後の2013年はサンファン・バウティスタ号が月浦を出帆して400年。復元船を持つ石巻市として、郷土を売り込む絶好の機会が到来した。そこで、支倉常長を主人公にしたNHK大河ドラマの実現に向けた取り組みができないかどうかー。
日曜日夜放送のNHK大河ドラマは、2010年の「龍馬伝」、2011年の「江(ごう)~姫たちの戦国~」まで決まっているが、その後は未定。宮城県知事や仙台市長、支倉ゆかりの川崎町や大郷町、さらに県内経済関係者、文化芸術関係団体などと共に、NHKに対しての運動を起こしてみてはどうか。経済効果抜群であることは誰の目にも明らか。市長は、石巻市独自のフィルム・コミッションを立ち上げて、情報発信したいと意欲的であり、その突破口としても「支倉常長のNHK大河ドラマ化」は効果的。ぜひ実現化に動くべきと考えるが、どうか。
また、サンフアン400年祭のイベントを企画し、来年からその取り組みをスタートすべきだが、どうか。その際、平成2年に行った石巻市を舞台に繰り広げた「東北学おこし」の再現を試みてはどうか。
石巻市民が歴史から学ぶべきテーマは豊富だ。サンファンと支倉常長の海外雄飛がまずひとつ。400年後という節目に、慶長遣欧使節の謎の解明と真実に迫るシンポジウム等の開催もあるし、川村孫兵衛の北上川改修が発端となっての江戸とを結ぶ東回り航路も、興味深いテーマのひとつ。江戸との交流や千石船物語、その中には若宮丸など千石船の度重なる遭難、そして若宮丸では結果的に乗組員の世界一周という世界史レベルの事件を生んでいる。新田次郎作のアラスカ物語に出てくるフランク安田や密航船・水安丸の及甚こと、及川甚三郎と広淵沼開拓など、明治期の国際性に富んだ先人たちの足跡も、学ぶべきテーマになる。当然ながら、今映画化が進んでいる人権派弁護士・布施辰治氏の歩みも含めて、「石巻学おこし」の題材は山ほどある。「学おこし」によって、大人から子どもたちまで心をひとつに郷土愛を育む取り組みをしてはどうか。
そうした400年祭関連事業では、サンファン建造時からその後の運営等まで、バックアップしていただいた日本財団の協力も欠かせない。オラレ否決後関係が好ましくないと伝わってきている。復元船サンファンの帆を張る展帆もここ2年見られないが、それも助成ストップの影響なのかどうか、早急に財団との関係を改善し、協力をお願いしていくことも大切と考えるが、いかがか。
亀山紘市長 出帆400年の2013年は、復元船が進水してから20年の節目であり、支倉常長を主人公としてNHK大河ドラマの制作は、歴史的な偉業に対する理解を深めると共に、わが石巻市と伊達の黒船を全国にPRできる夢のある企画だ。フィルムコミッションの立ち上げも含めて実現に向け、関係者と情報を共有しながら取り組んで参りたい。
また、記念事業では財団法人慶長遣欧使節船協会と本市が中心となり、県や仙台市を含め、今年度中に記念事業実行委員会を立ち上げる予定。プレイベント的な事業では本年10月から12月まで「支倉常長が辿った太陽の国」と題したメキシコ在住画家・鈴木美登里氏の絵画展示を行う特別展開催や、メキシコ在住演劇家・イレネ飯田氏の記念公演等が予定され、市としては記念事業を総合計画の実施計画に位置づけ、具現化していきたい。その折には、政宗のチャレンジ精神のシンボルでもあるサンファンのある町石巻の歴史や伝統を認識し、偉大な先人に学ぶ「石巻学おこし」として、市民が将来に活かせる文化の振興についても取り組んで参りたい。
また、サンファン館の事業運営と海洋文化の創造と海事施設の振興を図るものとして、日本財団からは過去に助成をいただいているが、この出帆400年記念事業の展開に向け、今後も支援協力をお願いしていきたい。
今村正誼 プレイベントなどで、開催日などが明確になっていると思うが、明らかにしていただきたい。
産業部長 鈴木美登里さんの絵画展は10月1日から12月21日まで、サンファン館で開く。鈴木氏は気仙沼市出身で、メキシコ宮城青葉会の副会長。30数点の展示がある。
亀山市長 プレイベントをしながら、2013年につなげていきたい。なお、先日の河北新報に石巻市出身の千葉勇作さんが「果敢な生涯 ドラマ化を」というタイトルで寄稿している。熱い応援であり、大河ドラマ化に向けて努めていきたい。
今村正誼 イレネ飯田さんは日系二世のメキシコ人。元宝ジェンヌで、石巻市出身の涼風真世さんとは同期。芸名は「幸風(さちかぜ)イレネ」と言ったようだが、多彩な人。世界を駆けての舞台演出家として活躍。全国数箇所の公演に石巻市ではサンファンの船上でのミュージカルとも聞いており大変興味深い。また、来年はメキシコとの交流400年だが、三浦按針の造った船で、難破したイスパニアの要人をメキシコに送り届けたと言う史実から400年。ちなみに、その翌年(1611年)にセバスチャン・ビスカイノがお礼を述べに日本に来ている。結果的に、ビスカイノの手でサンファンが造られ、慶長遣欧使節が実現するのだから、因縁浅からぬものがある。
市長の話に出てきた千葉勇作さんからこの夏、暑中見舞いはがきをいただいた。それが、これ(140%に拡大のはがきをパネルに)。カラーの印刷でいつも支倉常長のストーリー性のある自作の日本画を配したもので、読みごたえのある内容。そこにドラマ化の訴えがあった。宛名のところに、「村井知事とも会い、大賛成とのことでした」とも記されていたが、実は私も7月に知事室に15分程度お邪魔をして、知事に申し上げたら、「石巻市長と一緒に働きかけていきたい」と言うこと。市長は、この夏、知事と何度かあっていると思うが、この点についてお話したことはあるかどうか。また、今後についてはどうか。トップ同士で盛り上がっていただきたいのだが…。
亀山市長 まだ話してはいないが、今後は話題にしていくことになる。
今村正誼 これ(石巻日日新聞の記事パネル)は、東京に在住の岡田厚美さん寄稿記事だが、慶應義塾大学の三田文学会のなかにある「周作クラブ」のメンバーが平成15年5月に石巻市月浦を訪れたときの模様をまとめられたもの。周作クラブとは亡くなった作家の遠藤周作氏を慕って作られたグループで、その月浦ツアー43人の中には未亡人の順子さんも参加されていた。そして、小説の舞台になった月浦に大変感動したとのことだった。
岡田さんもまた、映画化、ドラマ化に奔走している一人だが、残念ながらまとまらないと言うこと。とはいえ、人脈総動員というか、NHK出身者には安住淳代議士もいる。ドラマ化の仕掛け作りでは、人脈をつなぎ合わせて情報を発信していくことも大事と思うが、どうか。
亀山市長 石巻市出身で支援してくれる人は多いと思うので、人脈を大事に連携を取っていきたい。
【河北美術展の巡回展復活について】
今村正誼 次に2番目の質問テーマ「河北美術展の石巻巡回展の復活について」だが、平成16年以前まで続いていた河北展の石巻巡回展が途切れてからもう5年。この間、八幡町の川辺りの散歩道にあるアトリエDaDaで、そこを経営の三浦頼子さんが、入選、入賞者の作家や絵の仲間に呼びかけて「河北展・石巻版」を開催してきたが、そろそろ石巻市主催に戻し、石巻市以外の優れた作品の展示も行ってはどうか。優れた絵を身近で見られるということでの効果は、石巻市の文化度を上げる、また絵画好きの各年代層への刺激になるなど、上げれば切りがない。巡回展復活に向けたアクションを起こしてはどうか。
教育部長 多大な経費がかかるので、困難。市美術展中心で開催したい。
今村正誼 答弁に失望した。3年前には「民間のエネルギーと協力して、道が開けないか、そこに光明を求めたい」とあったが、この間何をしてきたのか。
教育部長 今後、市美展実行委と協議、可能かどうか検討していく。
今村正誼 この問題はまたやりたい。いつの間にか名の通ったオーケストラによる生のクラシックが聴けない街になった観のある石巻市に、もうひとつ文化面で大きな穴が開くようで、やるせない。教育長、市長はどう考えるか。
教育長 ハイレベルな絵画展は大事。石巻出身関係の作品を市美展と一緒にやれるかなど、道筋を考えていきたい。
亀山市長 文化事業は大切な分野。市民、関係者などの意見を聞き、行政に反映できるよう努めたい。
【新庁舎へのシンボリックな造形物について】
今村正誼 最後に「新石巻市庁舎のシンボリックな造形物の配置について」伺う。予算縮小で贅沢を言わない新石巻市役所庁舎建設に向かってきたが、新しい庁舎内にはシンボリック(象徴的)な造形物があるのかどうか。予算がないなら譲り受けるなど考えられないか。例えば、2億5000万年前の地層から出てきた雄勝石、玄昌石だが、その石に雄勝小学校児童が、石絵作家の斎藤玄昌実さんと共同で描いた横3m、高さ2mの絵は、雄勝湾から黄金に輝く金華山を望んだ作品。
また、サンファン関係の日本画では石巻出身で仙台市に在住の千葉勇作さんの一連の「支倉とサンファン関連作品」も捨てがたいし、2年前の鯨フォーラムで会場となった河北のビッグバンのステージを飾った石巻出身のステンドグラス作家・小林未季さん主宰の未季会が共同で制作したザトウクジラのステンドグラス作品などもある。その辺の交渉も含め、どう考えているか。
総務部長 議員指摘の作品はよく承知している。新庁舎改修では市財政の負担を軽減するため、最小限の事業費になるよう計画したため、壁や廊下などの装飾は考えていなかったが、市庁舎には多くの人が訪れるため、本市にゆかりのある物などシンボリックな造形物を設置し、石巻市らしさを演出したいと考えている。今後作品所有者の意思確認や作品の大きさ、管理方法など検討していきたい。
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